Google Play 2026年8月31日の期限|アプリは消えないが、新規ユーザーに届かなくなる
この記事で分かること
- 2026年8月31日の期限を過ぎると、実際に何が起きるのか
- 「アプリが削除される」という説明が正確ではない理由
- 2027年2月1日の16KB対応が、自社アプリに関係あるかどうか
- 3つの質問で分かる、対応の要否の見分け方
- 開発会社にそのまま送れる確認用の質問文
はじめに
お使いのAndroidアプリ、最後に更新したのはいつでしょうか。
2026年8月31日に、Google Playの「対象APIレベル」の期限が来ます。この件について、インターネット上には「対応しないとアプリが削除される」という説明が多く見られます。
これは正確ではありません。 期限を過ぎてもアプリがストアから削除されることはなく、すでにインストールしている方の手元にも残ります。
ただし、放置していて問題がないわけでもありません。新しい端末を使う新規ユーザーが、あなたのアプリにアクセスできなくなります。そして、アプリの更新版を出すこともできなくなります。
この記事では、Googleの公式ドキュメントで確認できる事実だけをもとに、2026年から2027年にかけての期限で「何が起きるのか」「自社のアプリは対象なのか」「開発会社に何を聞けばいいのか」を整理します。
まず結論——消えないが、届かなくなる
公式が言っているのは「新規ユーザーがアクセスできなくなる」
Google Playの公式ヘルプには、要件を満たさなかった場合について次のように書かれています。
アプリの対象 API レベルよりも新しい Android OS バージョンが搭載されているデバイスのすべての新規ユーザーはアプリにアクセスできなくなります
「削除」でも「非公開」でもなく、特定の条件の新規ユーザーから見つけられなくなるという表現です。
条件とは「アプリが対応しているAndroidのバージョンよりも、新しいAndroidを積んだ端末」です。たとえばアプリがAndroid 14向けのまま止まっている場合、Android 15やAndroid 16の端末を使っている方が新たにインストールしようとしても、そのアプリは表示されません。
既存ユーザーの手元には残る。ただし更新は出せなくなる
すでにアプリをインストールしている方は、そのまま使い続けられます。ある日突然アプリが消える、という事態は起きません。
一方で、開発側には別の制約がかかります。2026年8月31日以降、Google Play に提出する更新版は、すべて API 36 以上を対象にしている必要があります。つまり、対応しないまま修正版だけを出す、ということができなくなります。
これが実務上いちばん重い制約です。対応を済ませないかぎり、不具合が見つかっても、料金を改定したくても、新機能を追加したくても、修正版を出せません。アプリは動き続けますが、手を入れられない状態で固定されます。
つまり期限の本質は「消える/消えない」ではなく、アプリが成長も修理もできなくなることにあります。
押さえるべき期限は3つです。順に見ていきます。
2026年8月31日——対象APIレベルの期限
「対象APIレベル(target API level)」とは、そのアプリが「どのバージョンのAndroidを前提に作られているか」を示す番号です。Androidは毎年新しいバージョンが出るため、Googleはアプリ側にも追随を求めています。
2026年8月31日の期限は、新しく出すアプリとすでに公開しているアプリで内容が分かれます。ここを混同すると判断を誤ります。
新しく出す・更新する場合は API 36
2026 年 8 月 31 日以降...新しいアプリとアプリのアップデートを Google Play に送信する場合は、Android 16(API レベル 36)以降を対象にする必要があります
新規リリースはもちろん、既存アプリの更新版を出す場合もこの要件がかかります。「小さな不具合修正だけだから」という更新でも同じです。
更新しなくても、新規ユーザーに届けたいなら API 35
更新の予定がないアプリにも、別の基準があります。
既存のアプリは、アプリの対象 API レベルよりも高い Android OS を搭載したデバイスの新規ユーザーが引き続き利用できるようにするため、Android 15(API レベル 35)以降を対象にする必要があります
こちらはAndroid 15(APIレベル35)です。「更新しないから関係ない」とはならない点にご注意ください。新規ユーザーへの配信を続けたい場合は、この水準が必要になります。下回ると、前章で説明したとおり新しい端末の新規ユーザーに届かなくなります。
逆に、社内利用だけのアプリなど新規のインストールが不要であれば、急いで対応する必要はありません。
整理すると次のようになります。
| 状況 | 必要な対象APIレベル |
|---|---|
| 新しいアプリを出す・更新版を出す | API 36(Android 16)以上 |
| 更新はしないが配信は続けたい | API 35(Android 15)以上 |
間に合わないときは2026年11月1日まで延長できる
すぐに着手できない場合の逃げ道も公式に用意されています。
アプリの更新にさらに時間が必要な場合は、2026 年 11 月 1 日までの期間延長をリクエストできます
延長は自動ではなく申請が必要です。開発会社に依頼している場合は、Play Consoleの操作をどちらが行うかを早めに決めておいてください。8月31日を過ぎてから慌てて申請しようとしても、アカウントの権限がなくて動けない、という事態が起こりがちです。
2027年2月1日——16KBページサイズの期限
もう一つ、少し先の期限があります。「16KBページサイズ」への対応です。
この項目については、検索するとかなりの割合で誤った日付が出てきます。「2026年5月1日」と書かれた記事が複数見つかりますが、公式ドキュメントの記述は次のとおりです。
Starting February 1, 2027, if your app updates don't support 16 KB memory page sizes, you won't be able to release these updates.
(2027年2月1日以降、アプリの更新が16KBメモリページサイズに対応していない場合、その更新をリリースできなくなります)
正しくは2027年2月1日です。1年近く違いますので、社内で共有する際はご注意ください。
対応が要るのは C/C++ を使っているアプリだけ
さらに重要なのは、この期限が全アプリに関係するわけではないという点です。多くの記事が一律に「対応が必要です」と書いていますが、公式にはこう書かれています。
If your app only uses code written in the Java programming language or in Kotlin, including all libraries or SDKs, then your app already supports 16 KB devices.
(アプリがJavaまたはKotlinで書かれたコードのみを使用している場合、ライブラリやSDKも含めて、あなたのアプリはすでに16KBデバイスに対応しています)
Android アプリの多くは Kotlin または Java だけで作られています。その場合、追加の対応は要りません(公式は念のためのテストを推奨しています)。
対応が必要なのは、アプリの中で C/C++ のコード(いわゆるネイティブコード)を使っている場合です。具体的には、動画処理・画像処理・ゲームエンジン・地図・一部の決済SDKなどを組み込んでいるアプリが該当しやすくなります。
自社アプリがどちらなのかは、見た目では判断できません。開発会社に確認するのが確実です(聞き方は後述します)。
自分のアプリはどれに当てはまるか
ここまでの内容を、判断の順序に並べ替えます。
3つの質問で分かります
質問1:今後このアプリを更新する予定はありますか
- ある → 2026年8月31日までに API 36 への対応が必要です
- ない → 質問2へ
質問2:新しくインストールしてくれるユーザーは必要ですか
- 必要 → 2026年8月31日までに API 35 以上への対応が必要です
- 不要(社内利用のみ、既存ユーザーだけで完結する等) → 急ぎの対応は不要です
質問3:アプリの中で C/C++ のコードを使っていますか
- 使っている/分からない → 2027年2月1日の16KB対応について開発会社に確認してください
- 使っていない → 16KBの対応は不要です
ただし質問3は、自己判断が難しい項目です。自社で C/C++ を書いていなくても、アプリが使っている部品(ライブラリ)が内部でネイティブコードを持ち込んでいることがあります。「うちは使っていないはず」と判断せず、開発会社に確認するのが確実です。
開発会社にそのまま送れる質問文
技術的な用語を正確に使ったほうが、回答が早く正確になります。以下をそのままコピーしてお使いください。
弊社のAndroidアプリについて、Google Playの要件対応の状況を確認させてください。
1. 現在の対象APIレベル(targetSdkVersion)はいくつでしょうか
2. 2026年8月31日の要件(更新する場合はAPI 36、配信継続のみならAPI 35)を
満たすための作業内容・工数・費用をお見積りいただけますか
3. 期限に間に合わない場合、2026年11月1日までの延長申請は
どちらが実施する想定でしょうか
4. アプリ内に(使用しているライブラリ・SDKを含めて)
ネイティブコード(C/C++、NDK)が含まれていますか。
含まれている場合、2027年2月1日の16KBページサイズ対応が必要になります質問1の答えが「34以下」であれば、対応が必要な状態です。
放置していると何が起きるか
期限そのものより、放置が積み重なったときの影響のほうが深刻です。
新規ユーザーの獲得が止まります。 新しい端末を買った方には、あなたのアプリが見えません。広告を出しても、紹介されても、インストールにつながりません。しかもこれは静かに進行します。ストアからの流入が減っても、原因がこの要件だと気づきにくいのです。
不具合を直せなくなります。 更新版を出せないため、ログインできない、決済が通らない、といった問題が起きても手を打てません。対応するには、まず期限対応を済ませる必要があります。急いでいるときほど、遠回りになります。
毎年繰り返されます。 この要件は毎年更新されます。今年API 36に上げても、翌年にはまた新しい基準が来ます。1回きりの作業ではなく、継続的に発生する保守作業として計画に組み込んでおくのが現実的です。
数年放置したアプリの改修は、1年ごとに追随していた場合より費用がかさみます。バージョンを飛び越えるほど、変更点が積み上がり、動作確認の範囲も広がるためです。
まとめ:まずは「棚卸し」から
要点を整理します。
- 期限を過ぎてもアプリは削除されません。既存ユーザーの手元にも残ります
- ただし新しい端末の新規ユーザーには届かなくなり、更新版も出せなくなります
- 2026年8月31日:更新するならAPI 36、配信継続だけでもAPI 35が必要
- 間に合わない場合は2026年11月1日まで延長申請が可能(申請が必要)
- 2027年2月1日:16KBページサイズ対応。ただしC/C++を使っていないアプリは対応不要
最初にやるべきことは、技術的な対応ではありません。自社が持っているアプリを洗い出し、それぞれの現状を把握することです。会社によっては、担当者が代わって存在自体が曖昧になっているアプリもあります。
参考(一次情報)
※本記事の内容は2026年8月時点の公式ドキュメントに基づいています。要件や期日は変更される場合がありますので、実際の対応にあたっては公式情報をご確認ください。
株式会社Amanity
福岡を拠点に、AIを活用したモバイル・Web・LINEアプリの受託開発を行っています。アプリの現状確認から改修、その後の継続的な保守までご相談いただけます。「開発を頼んだ会社と連絡が取れなくなった」「見積もりが妥当か判断できない」といったご相談も承っております。
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