その見積もり、金額だけ見ていませんか?——発注前にチェックすべき5つのポイント
システム開発を発注する際、複数の開発会社から見積もりを取ったものの、金額の差が大きくて何を基準に選べばいいか分からない——そんな相談をよく受けます。
「一式」とだけ書かれた見積もりに注意する、極端に安い1社だけを選ばない、といった基本的なチェックポイントは、すでに多くの記事で紹介されています。この記事では、そうした基本を押さえたうえで、見落とされがちな2つの盲点を中心に解説します。
見積もり比較でまず見るべき3つの基本ポイント
本題に入る前に、最低限確認しておきたい基本の3点を整理します。
「一式」表記だけの見積もりは要注意
見積書に「開発費一式 ○○万円」としか書かれていない場合、その金額の中にどのような機能が含まれているのかが分かりません。金額を機能ごとに厳密に按分した明細まで求める必要はありませんが、「この金額でどこまでの機能が作られるのか」が一覧として示されているかどうかは、見積もりの信頼性を測る最初の指標です。
極端に安い1社だけの見積もりに潜むリスク
複数社に依頼した中で1社だけ突出して安い場合、必要な工程が省かれていたり、後から追加費用が発生する前提になっていたりするケースがあります。金額だけで即決せず、「なぜこの金額でできるのか」を確認する価値があります。
前提条件・作業範囲の記載有無
「テストはどこまで含むか」「保守・運用は別料金か」といった前提条件が明記されているかを確認します。ここが曖昧だと、後になって「それは対象外です」というトラブルにつながります。
見落としがちな盲点①:認識齟齬を防ぐ「画面イメージ・機能一覧」の有無
機能一覧が示されていても、それだけでは防ぎきれない認識齟齬があります。見積もり時点で発注者と開発会社の間に「画面のイメージ」まで共有できているかという点です。
機能一覧はテキストの箇条書きであることが多く、「会員登録機能」と書かれていても、発注者と開発会社が思い描く画面は同じとは限りません。「思っていた画面と違う」という認識齟齬は、開発が進んでから表面化しがちです。仕様変更は多くの場合追加費用の対象になるため、この齟齬は最終的にコストとして跳ね返ってきます。
見積もりを比較する際は、金額の妥当性だけでなく、「機能一覧に加えて、画面イメージまで見積もりの根拠として提示されているか」を確認してください。画面イメージがあれば「このボタンは必要か」「この画面は本当に使うか」を発注段階で具体的に議論でき、機能一覧とセットで見ることで「見積もりに含まれる範囲」と「含まれない範囲」をより解像度高く双方で確認できます。
Amanityでは、見積もり提示の時点で画面イメージと機能一覧をセットで作成し、発注者との間で「何を作るか」の認識をすり合わせたうえで金額を提示しています。ヒアリング内容をテキストだけでまとめる場合に比べて、発注前の段階で仕様の解像度を大きく上げられる点が特徴です。
具体的には、以下のような「画面イメージ」と「機能一覧」をセットで確認します。
下図は、テキストのやり取りのみで見積もりを進めた場合と、画面イメージ・機能一覧を伴う見積もりとで、認識齟齬が発覚するタイミングがどう変わるかを比較したものです。
見落としがちな盲点②:初期費用だけでなく「ランニングコスト」も見積もりの一部
もう1つの盲点は、見積書に書かれた初期の開発費用だけで比較してしまうことです。
クラウドでシステムを開発する場合、月々の運用費(ランニングコスト)は提案されたシステム構成によって大きく変わります。特に影響が大きいのが以下の2点です。
- サーバーレスかどうか:常時サーバーを稼働させる構成か、リクエストが来たときだけ課金される構成か
- データベースの種類:リレーショナルDB(RDS等)か、NoSQL・ドキュメントDB(DynamoDB・Firestore等)か
同じ機能要件でも、これらの構成次第で月額運用費が数倍変わることがあります。初期費用が安い提案でも、運用フェーズで割高になる構成が選ばれていれば、トータルコストでは逆転することも珍しくありません。
見積もりを比較する際は、「この構成を選んだ理由」と「1年後・アクセスが増えた場合の運用費の見込み」を開発会社に確認することをおすすめします。構成の技術的な違いとコストへの影響について詳しくは、以下の記事で解説しています。
関連記事: そのシステム構成、本当に適切ですか?選択次第でクラウドの月額費用は数倍変わります
まとめ
見積もり比較で確認すべきポイントを整理します。
- 基本の3点:内訳の明確さ/極端な安さへの警戒/前提条件と作業範囲の記載
- 盲点①:見積もりの根拠として画面イメージ・機能一覧が提示されているか(認識齟齬の防止)
- 盲点②:初期費用だけでなく、システム構成によるランニングコストの差まで含めて比較しているか
金額の大小だけで判断せず、「何を根拠にその金額になっているか」「運用フェーズまで含めた費用設計になっているか」を確認することが、発注後のトラブルを防ぐ一番の近道です。
Amanityでは、見積もり提示の段階から画面イメージ・機能一覧を作成し、運用フェーズのコストまで見据えたシステム構成をご提案しています。「複数社から見積もりを取ったが判断基準が分からない」という場合も、お気軽にご相談ください。
株式会社Amanity
福岡を拠点に、モバイル・LINE・Webアプリの受託開発を行っています。見積もり時点から画面イメージ・機能一覧を作成し、認識齟齬のない開発をご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
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